読んだ見た感じた笑った!ことをつれつれと。
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08/26
ダンサーの人生
「舞台は観客と作るもの」という言葉を
これほど身をもって感じたことがかつてあっただろうか・・・。

以前紹介したドキュメンタリー映画「ブロードウェイ♪ブロードウェイ♪」のミュージカル「コーラスライン」をBunkamuraでやると知り、半年近く前からチケットを取って楽しみにしていた。

「コーラスライン」とは簡単に言ってしまえば、ブロードウェイのミュージカルの「主役」ではなくバックで踊る「コーラスライン」のダンサーを選ぶオーディション、がそのままミュージカルになっている舞台。

ダンサーたちが「どうしてもこの仕事を取りたいんです!」「こんなに踊れるんです!」と切実にアピールする。それぞれのダンサーたちの悲喜こもごもの人生が語られ、一度スターになったものの今は仕事がないというダンサーの厳しい人生が垣間見れたりと、内容は決して退屈なものではないと思うのだけれど。

Bunkamuraの観客のほとんどはご年配のグループかご夫婦(どうみても全体の平均年齢60歳位だった)。
かなり共感しにくいのでは・・・というような反応の薄さ。それがダンサーたちにも影響してか、なんだかこわばったような空気。

セリフと歌が中心の舞台では、字幕を読む観客にダイレクトに伝わりにくい。
とくにちょっとしたジョークのニュアンスはかなり省略されている印象。
女性ダンサーが「胸とお尻をなおして、私の人生はハッピー!仕事もバンバン決まるようになったの」とコミカルに胸を揺らしながら歌い踊るシーンでは、たぶん本場では笑いが起こるところだと思うのだけれど、客席はシーン・・・。

最後まで出演者と観客の間にチグハグした雰囲気があることは否めなかった。

きっと。
ダンサーがたくさん住む本場のブロードウェイでこの作品をみたら、
もっと違う印象になっていただろうなぁ、と思う。
共感のないところに、感動は生まれにくい。
これは、双方にとってまれに見る
「不運なめぐり合わせ」だったのかもしれない。

内容は同じでもその場でしか味わえないものって、
食べ物だけじゃないんだな、としみじみ思う。
舞台はナマモノって、こういうことか。

ダンサーが舞台から消えると同時にパッと明かりがついて
「演出の関係でアンコールはありません」との字幕。

連れと「うーん・・・」「ね」なんて呟きながら
裏の道をぐるっと回って帰ろうとしたら
溌剌とした外国人のグループがいて、
よく見たら今のミュージカルの出演者たちだった。
出てくるの早っ!

次の舞台まであと2時間。
つかの間の外の空気を楽しむのだろう。

今演じた舞台がそのままあの人たちの人生なんだな、と
夕暮れの渋谷の雑踏へ消えていく後姿を
まぶしい気持で見送った。

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